和歌山県工業技術センターが、和歌山らしさを持つ酵母の探索を実施し、田辺市から山中に分け入り熊野本宮に向かう「中辺路(なかへち)」で発見した、清酒醸造に適した酵母を同センターにて改良したもの。
今回使用した酵母はその中の ‟KODO.ec162株
清酒酵母特有の発酵によって、リンゴや梨、白桃といったやわらかなフルーツの香りが引き立ちます。通常のワイン酵母に比べて控えめで透明感のある香り。
甲州種はもともと酸味が穏やかな品種であり、清酒酵母による発酵によってさらに柔らかな印象に仕上がりました。清酒酵母は旨味を引き出す力に優れており、ワインにもその特性が活かされています。わずかに甘みを感じることがあり、全体のバランスをさらに良くしています。
項目 |
詳細 |
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品名 |
古道-KODO- 白ワイン 2024 |
品目 |
果実酒 |
ヴィンテージ |
2024年 |
ぶどう品種 |
甲州(山梨県産) |
使用酵母 |
KODO.ec162株(熊野古道由来 清酒酵母) |
内容量 |
750ml |
アルコール分 |
12度 |
味わいタイプ |
やや辛口 / ミディアムボディ |
色 |
淡いイエロー |
醸造方法 |
清酒酵母「KODO.ec162株」を使用し、ステンレスタンクで低温長時間発酵・熟成 |
生産本数 |
2024年ヴィンテージ 約1,500本 |
飲み頃温度 |
10~12℃ |
酸化防止剤 |
亜硫酸塩 |
栓タイプ |
コルク |
ワイナリー |
和歌山湯浅ワイナリー |
刺身、天ぷら、魚の塩焼き、和風のサラダなど、日本の伝統的な料理と絶妙にマッチします。
ようこそ、いにしえの道が紡ぐ、新たな香りの世界へ
グラスを近づけると、リンゴや梨、白桃を思わせるやわらかなフルーツの香りがふわりと立ち上り、まるで上質な吟醸酒のような、華やかで透明感に満ちたアロマが優しく包み込みます。甲州種が持つ穏やかな酸味と、熊野古道で発見された清酒酵母「KODO.ec162株」が引き出す「和の旨み」が絶妙に調和。口に含めば、その柔らかな印象と、ほのかに感じる優しい甘みが、全体のバランスを美しくまとめ上げます。今までにない、オリジナリティ溢れる白ワインの誕生です。
「古道-KODO-」に込めた想い
この「古道」という名は、世界遺産・熊野古道の奥深い自然の中で、和歌山県工業技術センターによって発見された特別な清酒酵母「KODO.ec162株」に由来します。いにしえより人々が祈りを込めて歩いた聖なる道、熊野本宮へと続く「中辺路(なかへち)」で見つけ出された、まさに和歌山ならではの酵母です。 私たち和歌山湯浅ワイナリーは、この奇跡的な酵母の力を借り、日本を代表するぶどう品種「甲州」と融合させることで、これまで誰も味わったことのない、オリジナリティ溢れるワインを造り上げました。いにしえの道が持つ神秘性と、新しい発見の喜び。その両方を感じていただける一本となることを願っています。
和歌山ならではの、世界に誇れるワインを
「和歌山ならではの、世界に誇れるオリジナリティのあるワインを造りたい」。その長年の夢を形にする挑戦が、この「古道」ワイン開発の始まりでした。そんな折、和歌山県工業技術センター様が熊野古道で素晴らしい清酒酵母を発見されたという朗報が舞い込みます。「これだ!」と直感しました。 特に、今回使用した「KODO.ec162株」は、清酒において吟醸香が高いと言われる特性を持ち、ワインに新しい香りの世界をもたらしてくれると確信。センター様との連携のもと、まさに和歌山の技術と自然の恵みが結晶となったこのワインが誕生したのです。
日本の魂「甲州」と「熊野古道酵母」の出会い
このユニークなワインの主役は、日本固有の白ぶどう品種「甲州(山梨県産)」です。穏やかな酸味と繊細な風味が特徴の甲州は、和食との相性も抜群。この甲州の個性が、熊野古道で発見された清酒酵母「KODO.ec162株」の引き出す華やかな吟醸香や奥深い旨みと出会った時、私たちは息をのみました。酵母の華やかな香りを甲州の奥ゆかしさが優しく受け止め、互いを引き立て合う、まさに奇跡的なマリアージュが生まれたのです。いくつかの品種で試作を重ねましたが、甲州こそがこの酵母のポテンシャルを最大限に発揮させてくれると確信しました。
醸造責任者:西馬 功より
「その土地ならではの個性を最大限に引き出し、飲む人の心に響くワインを」。この「古道」ワインでは、まさに「和歌山でしか造れないワイン」に挑戦しました。伝統的な清酒酵母とワイン醸造技術の融合という、新しい試みに私自身もワクワクしながら取り組みました。清酒酵母をワイン醸造に使うのは初めての試みが多く、チーム全員で文献を調べ、工業技術センターの方にアドバイスをいただきながら、まるで生き物を育てるように、毎日酵母の状態を注意深く観察しました。この挑戦から生まれた、唯一無二の味わいをぜひお楽しみください。
プロが語る、このワインの魅力
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香り:グラスを傾けると、まずリンゴ、梨、白桃といった瑞々しく柔らかなフルーツの香りが優しく立ち上ります。続いて、まるで上質な吟醸酒を思わせる、白い花やほのかな麹のような、華やかで透明感のある香りが繊細に重なります。通常のワイン酵母とは一線を画す、控えめながらも印象的なアロマです。
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味わい:甲州種由来の穏やかな酸味が、清酒酵母による発酵を経てさらに柔らかな印象に。口当たりは非常に優しく、酵母が引き出すアミノ酸などの「旨み」がじわりと広がります。果実由来のほんのりとした甘みが全体のバランスを美しくまとめ上げ、心地よい余韻を残します。
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色合い:淡く澄んだ、清らかな輝きを持つイエロー。繊細な味わいを予感させます。
もっと美味しく!ソムリエのおすすめ
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温度:少し冷やしめの10~12℃くらいが、華やかな香りと優しい味わいのバランスが最も良く感じられます。
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グラス:香りを閉じ込めやすい、やや小ぶりでチューリップ型の白ワイングラスがおすすめです。吟醸酒を楽しむような感覚で、繊細な香り一つひとつをじっくりと味わってみてください。
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デキャンタージュ:全く必要ありません。開けたての華やかな香りをお楽しみください。
こんなお料理とご一緒に!
清酒酵母由来の旨みと甲州の繊細さが織りなすこのワインは、日本の伝統的なお料理と素晴らしいマリアージュを奏でます。
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和食の真髄を味わうペアリング:
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白身魚のお刺身(特に鯛やヒラメの昆布締めなど)
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素材の味を活かした天ぷら(野菜、海老、キスなどをお塩で)
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魚の塩焼き
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だし巻き卵、湯豆腐、白和えなど、繊細な味わいのお料理
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意外な組み合わせも発見!:
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フレッシュチーズ(モッツァレラ、リコッタなど)。ワインの優しい甘みと旨味が、チーズのミルキーさと驚くほど調和します。
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食前酒としても: 華やかな香りなので、お食事の始まりに、このワインだけでじっくりと味わうのもおすすめです。
特別な日の和食の席、海外からのお客様へのおもてなし、あるいは静かに自分と向き合いたい時のご褒美の一杯として、ぜひお楽しみください。
ご購入前にご確認ください
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Q. 「清酒酵母」を使ったワインとは、どんな味わいですか?日本酒のような味ですか? A. 日本酒そのものの味とは異なりますが、吟醸酒に共通するような華やかでフルーティな香り(リンゴ、梨、白桃など)や、お米由来の旨味に似た柔らかな旨味が感じられるのが特徴です。ワインとしてのぶどうの風味と、酵母由来の個性が融合した、新しいタイプの味わいです。
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Q. 甲州種のワインはよく飲みますが、このワインとの違いは何ですか? A. 通常のワイン酵母で醸造した甲州ワインが、柑橘系の爽やかな香りやスッキリとした酸味を特徴とするのに対し、この「古道」ワインは清酒酵母「KODO.ec162株」の働きにより、より華やかで柔らかなフルーツ香、そして豊かな旨味が加わっている点が大きな違いです。酸味もより穏やかな印象に仕上がっています。
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Q. 飲み頃はいつですか?長期熟成できますか? A. リリース直後から、酵母由来の華やかな香りが最も楽しめる状態です。このワインはフレッシュな香りと味わいを楽しむタイプですので、積極的な長期熟成は想定していません。
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Q. 開栓後はどのくらい持ちますか?保管方法は? A. 開栓後は冷蔵庫で保管し、香りが繊細なため、できればその日のうちに、長くても翌日にはお飲みいただくことをおすすめします。
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Q. おすすめの飲み方はありますか? A. 少し冷やしめの10~12℃くらいで、香りを閉じ込めやすいやや小ぶりな白ワイングラスでお楽しみいただくのがおすすめです。
私たちの故郷、私たちの想い
2019年創業。
私たちは、醤油発祥の地として知られる和歌山県湯浅町にあります。
古くからこの地に根付く「発酵文化」を受け継ぎ、湯浅ならではの、そして和歌山ならではの個性を活かしたワイン造りを目指しています。
和歌山の豊かな気候風土と真摯に向き合い、ぶどうのポテンシャルを最大限に引き出した高品質なワインを、皆様の食卓へお届けすることをお約束します。
山梨の甲州と、熊野古道の酵母
このワインに使用している甲州ぶどうは、日本ワインの主要産地である山梨県から。水はけの良い土壌と十分な日照時間が、健全で良質な甲州を育みます。そして、このワインの魂とも言える酵母「KODO.ec162株」が発見されたのは、世界遺産・熊野古道。和歌山県工業技術センターの長年の研究により、この神秘的な道から清酒醸造に適した酵母が見出されました。まさに、日本の自然と技術が生み出した奇跡の組み合わせです。