• 何も足さず、何も引かない、
    極力自然のままでつくった、
    純和歌山産ワイン

    和歌山県有田の気候風土に育まれたぶどうを用いたワイン。ブドウ栽培から醸造まで純和歌山産にこだわり、ブドウ本来の味や特質を出来る限りそのままに。

    9個の商品

    「和」という名には、二つの想いが込められています。
     ひとつは、私たちの故郷、「和歌山」という産地としての“和”。
     もうひとつは、飲む人の心が和(なご)むような、穏やかな「和(やわらぎ)」の心。それは、この土地と人、自然と技術が美しく調和する姿そのものです。

    “和シリーズ”とは、和歌山湯浅ワイナリーが「どのような土地表現を目指すのか」を最も純粋な形で示したワイン。私たちの哲学を、この一本に映し出しています。

    ■ 「原点の和」——須谷で生まれた思想

    和シリーズの原点は、2014年から始まった有田市宮原町・須谷地区の段々畑での挑戦でした。みかん栽培が放棄された急斜面を人の手で開き、一本ずつ苗木を植え、自然と向き合いながら育てる——そのすべてが“風土を学ぶ時間”でした。

    この頃の栽培と醸造は、「極力なにも足さない」という哲学に基づいていました。無濾過・非加熱、手仕事中心。自然酵母が奏でる香りや、年ごとの気候がそのまま味わいに表れるワインづくりでした。そこには、“土地のありのままを映す”という純粋な姿勢がありました。

    しかし同時に、この手法は常にリスクと隣り合わせでもありました。温度管理が難しい小規模醸造環境では、瓶ごとの個体差が生まれやすく、再現性に課題がありました。

    ■ 第二段階——精神を受け継ぎ、技術で進化する

    そして2024年。和シリーズは、次の段階へと進みます。

    須谷での10年がもたらした最大の財産は、「和歌山の風土はどういう姿でワインになるのか」という深い理解でした。この“学び”を踏まえ、栽培と醸造の両輪を次のフェーズへ進める必要がありました。

    その役割を担うのが、新しい体制です。
     栽培は、志村富男氏と萩野敏明氏という、国内トップクラスの専門家による指導と設計のもとで行われます。萩野氏が現場で陣頭指揮を執り、病害虫防除と品質安定を前提とした圃場づくりに取り組み、再現性のある栽培へとアップデートされました。

    醸造は、40年以上の経験を持つ醸造家・西馬功が統括します。ヨーロッパから導入した近代的な設備により、徹底した温度管理・微生物管理が可能になり、2024年以降の「和」のワインはすべて濾過・火入れを行う設計へと変わりました。
     これは「妥協」ではなく、「守るべきものを守るための進化」です。

    無濾過をやめたから“自然でなくなった”のではありません。
     火入れを行ったから“工業的”になったわけでもありません。

    進化の本質は、「自然への敬意を、品質と安全のレベルで支える」ということにあります。

    ■ 未来の「和」——千葉山で完成していくワイン

    現在、千葉山で育てているぶどうは“すべて和シリーズのための葡萄”です。
     それは、須谷の10年で得た「理解」をもとに、「和歌山らしさを最もよく表す土壌」を選び抜いた結果です。ここで育つ葡萄から造られる「和」は、偶然ではなく“必然の風土表現”へと昇華していきます。

    メルローが和歌山ではやわらかく、透明感のあるルビー色に落ち着くように。
     それは欠点ではなく、「風土の声」。
     そしてこれから植え広げられていくマルスラン、奇跡の雫、シャルドネ、富士の夢といった品種は、その土地の声をさらに豊かにしていきます。

    「和」は、方法の名前ではなく、“姿勢の名前”です。
     土地と対話しながらその声を形に変えていく——
     そのあり方そのものを「和」と呼んでいます。

    ■ 結び

    須谷で始まった“原点の和”は、
     いま千葉山で“完成へ向かう和”へ進化しています。

    無濾過だった時代は、このワインの精神が育まれた時間。
     火入れと濾過を用いる今は、その精神を未来へつなぐ時間。

    「和」とは、単に和歌山で造られたワインの名前ではありません。
     ——この土地そのものを映すための、“和歌山の表現そのもの”なのです。